本記事では、介護に使える補助金制度を「介護費用を抑えたいとき」「介護用品の貸与等を受けたいとき」「介護と仕事を両立したいとき」の3つに分類して解説します。制度によって補助の条件や内容が異なるため、自分に合った補助金制度を探してみてください。
1.介護費用を抑えたいときに使える補助金制度
まずは、介護費用を抑えたいときに使える補助金制度を4つ紹介します。
介護手当(家族介護慰労金)
介護手当は、在宅介護中の家族に対して支払われる手当です。国ではなく自治体が主体となった制度であり、自治体によって支給要件や支給金額が異なりますが、制度内容はおおむね以下のとおりです。
支給要件:介護サービスを利用せず、要介護度4~5の要介護者を在宅で1年以上介護していること など
支給金額:年間10~12万円程度
介護手当を受給するには、居住している自治体への申請が必要です。自治体によっては手当の名称が異なる場合があるため注意してください(例:東京都中央区「おとしより介護応援手当」)。
ただし、介護手当の支給要件には、“介護サービスを利用しないこと”が含まれている場合がほとんどです。介護サービスを利用せずに、重度の高い要介護者を在宅介護するのは、介護者にとって身体的・精神的に大きな負担となります。介護手当は介護費用を抑えるうえで役立ちますが、介護手当の受給を検討する前に、まずは介護サービスの利用を検討するとよいでしょう。
2.介護用品の貸与等を受けたいときに使える補助金制度
続いて、介護用品の貸与等を受けたいときに使える補助金制度を2つ紹介します。
福祉用具購入費
福祉用具購入費は、車いす、特殊寝台、手すりなどの貸与や購入に要した費用に対して補助する制度です。制度を利用すると、かかった費用の原則9割(所得に応じて8割・7割)が給付されます。
制度の対象となる福祉用具は以下のとおりです。
貸与を希望する場合は、担当のケアマネジャーと福祉用具取扱事業者に相談して、貸与する用具を決定しましょう。
購入の場合は、福祉用具販売事業者と相談・製品購入のうえ、自治体に支給申請が必要です。ほかの介護サービスを利用中の場合は、ケアマネジャーにも相談が必要となるため注意してください。
3.介護と仕事を両立したいときに使える補助金制度
最後に、介護と仕事を両立したいときに使える補助金制度を2つ紹介します。
介護休業制度(介護休業給付金)
介護休業は、労働者が要介護状態にある対象家族を介護するための休業であり、介護が必要な家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できます。介護休業は休業開始予定日の2週間前までに書面等により事業主に申し出が必要です。
また、介護休業期間中は要件を満たせば、休業開始時賃金日額×支給日数の67%の介護休業給付金がハローワークから支給されます。介護休業給付は原則として事業主を経由して申請が必要ですので、事業所と連絡を取りながら支給申請を行ないましょう。
支払われる給付金額は、休業開始時の賃金日額や介護休業期間中の賃金の支払い状況などによって異なります。詳細は事業所またはハローワークに問い合わせてみてください。
経済的不安に備えるなら民間の介護保険も利用しよう
ここまで、介護に使える補助制度を8つ紹介しましたが、これらの補助制度を活用しても介護費用のすべてをまかなうことはできません。介護費用の不安を減らすなら、民間の介護保険を活用するのがおすすめです。
民間の介護保険のメリット
民間の介護保険のメリットは、公的介護保険制度でカバーできない部分を補える点にあります。例えば、65歳未満の方(第2号被保険者)は特定疾病による介護状態以外は公的介護保険適用外となりますが、民間の介護保険なら、商品や契約内容によっては公的介護保険適用外の方へも一時金や年金が支払われます。
民間の介護保険は現金での給付となりますので、介護以外の生活費などへの利用も可能です。
民間の介護保険の内容は、取り扱う保険会社によって異なります。支払う保険料や受給条件などを比較しながら、自分に合った保険を選択しましょう。
民間の介護保険を検討してもよい人は?
民間の介護保険は、貯蓄が少なく、介護費用に不安がある方や、貯蓄はあるものの、より充実した介護サービスを受けたい方におすすめです。また、将来的に介護を頼める人がいない方や頼みづらい方は、民間の介護保険に加入して保険金や給付金を得ることで、介護サービスを利用しやすくなります。
自身の健康状態や経済状況などから、民間の介護保険の必要性を考え、加入の有無や加入の時期を考えてみてはいかがでしょうか。
